成長支援会計士が教える成長経営のツボ

節税編会社を成長させる「本当の節税」とは(法人決算編②)

2017年08月03日(木)

あなたは、誤った「節税」を行っていませんか?
さて、第2話は「本当の節税」のポイントについてお伝えしていきましょう。

「本当の節税」とは?

具体的に“ツボ”をお教えしましょう。

状況により作戦実施の優先度は多少異なりますが、次の順番での検討が“王道”です。

 

  1. 従業員への決算賞与・インセンティブ(=当期に関する精算)
  2. 不良債権の償却(貸倒処理)(=過去の清算①)
  3. 不良在庫や含み損のある遊休資産の売却・廃棄(=過去の清算②)
  4. 本来は次の年度に予定している経費支出の前倒し(=将来の先取①)
  5. 本来は次の年度に予定している設備投資の前倒し(特に特に税務特例の適用等よって経費(専門的には損金と呼ばれます)で処理できるもの)(=将来の先取②)
  6. 倒産防止共済の加入(=将来への備え①)
  7. 生命保険契約の活用(本質、活用法を理解すれば、経営上重要な道具であることは確かです)(=将来への備え②)
  8. ちゃんとした申告をする(=現状における最善)

 

いかがでしょうか?

「特に目新しいことはないな」とか「ふつうじゃん」とツッコミを受けそうですが。

お伝えしたいのは、「この順番が大事!」ということです。

この順番で検討することが、会社を強くする「本当の節税」の本質です。

 

具体的に説明しましょう!

まず、「当期の利益を上げるためにかかったコストを精算する」ことで、当期の本当の実力が把握できます。従業員さんへのインセンティブは将来利益を獲得することにも貢献すると思いますが本質的には当期の費用と考えます。

 

続いて含み損を顕在化させることで資産内容を健全化します。これによって損失を清算しつつ税金という形で資金が流失するのを防ぎます。

次に翌期の損益・資金に対する余裕を作り、多少の見込み違いがあっても翌期に“悪くない”決算ができるよう“ため”を作ります。

さらに、翌期以降の中期的視野でも、“蓄え”ができるよう工夫するわけです。

 

毎年①②③をしっかり検討していくと当然含み損はどんどんなくなっていきます。自然と視点は、現在からより将来に向かい“ため”や“蓄え”ができてくることになるわけです。

「本当の節税」が会社の体質を強くするというのはそういう意味なのです。

 

 

しかし、順番を間違うとどうなるでしょうか?

当期の費用も過去からの損失も処理しないまま、投資を前倒ししたり生命保険に入っても、翌期も利益が獲得できなければ、すぐに投資に伴う固定費増や保険料の支払いが資金を圧迫することになってしまいます。

“ため”や“蓄え”を作ったつもりでも、結局すぐに吐き出してしまう事態になってしまいます。

 

そのようなケースでは投資や積立も目減りしており損失発生の上乗せになってしまうケースも珍しくありません。

 

第1話で「誤った「節税」で会社成長を鈍らせたり、お金を節約するはずがむしろ資金繰りに窮したり、ひどい場合には、倒産の危機に陥るケースも随分目にしてきました。」とお伝えしたのはそのようなケースです。

 

青山パートナーズに経営再建や資金繰り改善のご相談に来られるお客様の事案でも過去の誤った節税策の対応、清算を行うことから始めることは少なくありません。

 

次話では、いよいよ各作戦ごとに“ツボ”を解説させて頂きます。

 

(法人決算編③)に続く

 

 

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節税編

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