最初の事務所選びQ2.会計事務所を選ぶにあたって、何を基準に選んだらよいでしょうか?
A2.①相性・価値観の共有、②専門家経験・経営者経験、③専門的実務能力、④組織力、⑤IT対応力、⑥具体的な顧問契約の内容、⑦費用、⑧人脈、⑨熱意・愛情
自身の経験から総合的に判断してみると、以上の9つが特に重要だと思います。
経営者にとっての会計事務所
経営者にとって会計事務所(顧問税理士)は、ビジネスパートナーです。
創業・起業(法人設立)間もないうちは、ご自身の商売分野以外では、経営の相談相手は限られると思います。
日々の帳簿の作成や税金の申告を含む税務署(や自治体の税務部署=東京では“都税事務所”がその中心)との応答のみならず、ビジネスの常識や融資の相談から経営課題の一般的対処法など、何でもまずは顧問税理士に相談するようになり、あなたに合った“良い税理士”であれば、きっと頼りになる強い味方になるはずです。
ある程度、事業が立ち上がってくると、事業に関する課題も複雑化し専門化してくるでしょう。
経理については、自社で事務の従業員を雇えているかもしれません。
そうすると、あなたが会計事務所に期待する業務テーマも、記帳処理のことよりも、“複数の金融機関とうまくつきあう方法”とか、「会社組織をどのようにしていくべきか」とか、「株主構成はこれでいいのか」など、専門性の高いものにシフトしていくはずです。
一方、順調な場合だけでなく、乗り越えなければならない危機に直面することもあるかもしれません。そのような場合には“会社を救うための専門知識や経験”を会計事務所に期待するはずです。
さらに事業を進めると、株式上場やM&Aの知識や経験、あるいは、事業をどのように次世代に承継してゆくためのアドバイスが必要になるはずです。
一方、会計事務所の変更には、あなたにとってある程度の業務ロスやコストも必要でしょうから、やはり継続的な関係が維持できるのが望ましいとは言えるでしょう。
それでは、会社や事業の成長段階に応じてあなたが会計事務所に期待することは変化してゆくかもしれませんが、そのような期待に応えられる、長く付き合える会計事務所を選ぶにはどのような観点で選択したらよいのでしょうか。
自分の経験から総合的に判断してみると、以下記載の9つが特に重要だと思います。
- 相性・価値観の共有
- 専門家経験・経営者経験
- 専門的実務能力
- 組織力
- IT対応力
- 具体的な顧問契約の内容
- 費用
- 人脈
- 熱意・愛情
Q3以降で、それぞれのポイントがなぜ重要なのか、会計事務所選びにあたって、どのように判断したらよいのかを具体的にご説明いたします。
(税理士法人青山パートナーズ 統括代表社員・公認会計士・税理士 馳 雅樹)