会計事務所選び・見直し・お悩み相談室

最初の事務所選びQ1.会計事務所(税理士)にはどんな仕事を頼めるの?(会計事務所の業務範囲)

2017年08月03日(木)

A1.依頼できる業務の範囲としては、法律で他の士業(弁護士など)以外には“やってはいけない”と決められている業務以外は、提供業務の水準は別として依頼できる可能性があります。

一方で、“本業”であるはずの会計・税務の業務品質には個々に大きな差がありますので、業務範囲と併せて業務品質の視点もお忘れなく。

 

 

会計事務所に期待すること?

事業を始める場合、周囲の方に相談すると、「お金のことはきちんとしないと」とか、「帳簿や税金のことは最初から考えておいた方がいいよ。」とアドバイスされ、「それじゃ、誰に相談したらいいの?」と聞くと、「まずは、会計事務所(顧問税理士)でしょ!」ということで、会計事務所探しを始める方が多いのではないでしょうか?

それでは、「会計事務所に何を期待していますか?」

「・・・・・・・・・」

会計事務所に期待すること?

 

創業・起業のご相談を頂く場合、皆様「税金に関する書類作成やそのための帳簿付けを支援してくれる」との想定はお持ちですが、それ以外にと伺うと、逆に「会計事務所は何をどこまでやって頂けるのですか?」と逆にご質問を頂いてしまいます。

 

会計事務所の業務範囲

そうなんですね、会計事務所の業務範囲は、実務的には相当に広いんです。

他の“士業”の専門領域や専門業者の業務領域にも及んでいる場合も少なくないうえ、会計事務所によって一律ではないので混乱してしまいますよね。

 

「税理士」という国家資格の独占的業務領域は、

  • 税金の申告書や届出書類を作成
  • 依頼人に代わって税務署と折衝
  • 税金の相談をする

ことです。

 

したがって、その税理士が経営する専門事務所=会計事務所の一番の専門領域は、経理や税金に関する領域となっています。その他にも給与計算、社会保険の手続き、登記に関する手続きの支援から、クラウドを含む会計ソフトの導入支援・販売、生命保険のコンサルティングや販売、銀行融資の支援などの関連領域のサービスを手掛けている場合が殆どです。(何が本業かわからないような会計事務所もあります(笑))

 

経理や税金に関する領域

実は経理や税金に関する領域にもいろいろあります。帳簿付け(いわゆる記帳代行)、所得税や法人税・消費税の申告から、相続税の申告や相続税対策、グローバル企業の国際的な税金問題を扱うジャンルまで様々な専門領域が存在し、その扱う業務の難易度にも差があります。

 

「会計事務所に何を頼めるか?」をまとめると

さて、「会計事務所(顧問税理士)に何を頼めるか?」をまとめると、違法なことは別として、法律で他の士業(弁護士など)以外には「やってはいけない」と決められている業務以外は、ビジネスのパートナーに期待すること、特に経営管理と言われる領域のサービスは依頼できる可能性があります。

それが、経営者の“よろず相談相手”と呼ばれるゆえんです。

 

しかし、その範囲や得意・不得意は、会計事務所(税理士)によって異なりますので、会計事務所(顧問税理士)を選ぶ場合には、意識して自分が重視する業務領域とその業務費用(報酬)をしっかり確認頂くことをお勧め致します。

 

業務品質こそ比較が必要!

最後にもう一つアドバイスさせてください。

 

会計事務所(税理士)を探されている方(特にネットで探されている方)の多くは、今までご説明させて頂いた業務領域の中で、安価な設立支援や銀行融資の支援などの“関連サービス”を重視して付き合う会計事務所を考えていらっしゃるケースが多いように思います。そして、『専門である経理の仕事や税金の“業務の範囲や品質は同じ”であって、“問題ない”』ということがその前提になっているように感じます。

 

しかし、実際には、会計や税務のサービスの品質は同じではないし、事後に問題が発覚するケース(税金の払い過ぎや税務調査での追徴課税など)やお客様自身では問題が発生していることすら気づかずにいるケースも少なくないことをご認識され、経営者自身が専門ではない領域だからこそ『信頼して任せられる。』『相談できる。』その上で、重視する関連サービスがしっかりしているパートナーを選ぶことが大事だと思います。

 

(税理士法人青山パートナーズ 統括代表社員・公認会計士・税理士 馳 雅樹)

 

 

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