青山パートナーズ紹介記事「日本の会計人」2

日本の会計「青山パートナーズ紹介記事」TACNEWS 2006年11月号より(2/3)

日本の会計人

 

 

 

大手会計事務所にて専門性を磨く

大手会計事務所にて専門性を磨く馳

 アンダーセンを退職した二人は、別々に東京の大手会計事務所に就職し、税務の実務を積むことになる。

 

 会計事務所で、馳氏は税務申告業務の他、エンタテイメントビジネス、SOHO支援業務、IPO(株式上場)コンサルティング等に積極的に取り組み、坂巻氏は税務申告業務と資産税関連コンサルティングへと、それぞれが自分のやりたいコンサルティングに邁進していったのである。

 

 さらに4年の月日が流れ、二人の機は熟した。馳氏は当時を次のように振り返る。

 

「会計事務所に入った段階でも、自分自身のやりたいことが実現できれば勤務していても構わないと思っていたのです。しかし、時間の経過とともに、やはり、自分の目指す成長志向のクライアントへのサービスのためには、そのための組織、研修、評価制度など一環した“しくみ”が必要だと痛感するようになりました。

 

 そこで、そろそろ自分で事務所を持とうと考えている旨を坂巻に話すと、彼も同じように感じていて、一緒にやってみようと言ってくれたのです。我々は、自分たちの組織を作り、協業できる仕組み作りを考えることにしました」

 

 二人が独立を決意した瞬間だった。そして平成10年11月、坂巻・馳会計事務所が産声を上げることになる。

 

 

いよいよ共同事務所をスタート!

青山パートナーズの前で…

 馳氏と坂巻氏が共同事務所を開こうと決めた時、二人が意気投合した揺るぎない思いがあった。それはベンチャー支援。お互いの得意分野は違っても、そこに通底するバックボーンが共通していれば、協業は実現する。

 

 性格的にも二人は異なっている。馳氏によると、馳氏は出て行くタイプ、坂巻氏は抑えに回る、落ち着いているタイプだという。

「そういう意味でバランスがとれている。それなら一緒にやっていける」それが始まりだった。

 

 と言っても、協業は一蓮托生。一方の失敗が相手の命取りにもなる。そのリスクを考えると、一緒にやろうと決めるには身の引き締まる思いがする。

 

「坂巻を信じています。もし坂巻に間違いがあれば、坂巻の家族も私の家族もリスクを負うことになります。そして私にはその覚悟があります。ですから、坂巻は遊び仲間とはもちろん、家族とも違う関係なのです。逆も然りで、恐らく、坂巻も私のことをそう思っているでしょう」

 

 スタートするにあたり、勤務先から引き継がざるを得なかった数社は、再建絡みやトラブルを抱えていて引き継げないクライアントだった。それ以外のクライアントに関しては、独立後に連絡があっても断ったのだ。そして、すべてのクライアントを友人・知人、あるいはお客様からの紹介のみで増やしてきたのである。よくある銀行・証券会社からの紹介という営業手法を拒み、ただひたすらこの紹介を貫く徹底ぶりだった。

 

「金融機関からの紹介では、そのお客様と金融機関の利害が合わない場合に、気持ちの上で躊躇してしまうでしょう。私たちはベンチャー支援を一番にやりたいので、クライアント側につけない状況は適切ではありません。気持ちの上で躊躇してしまう状態では仕事ができません。我々が今後大勢のスタッフを抱えて組織化していくに際しても、これはよいことではありません。お客様に信頼していただければ、お客様にお客様を紹介していただけるはずです。

 

 よく、会社はヒト・モノ・カネ・情報といいます。実際に貸借対照表に載っているのもお金やモノです。お金というのは、債権や債務、買掛金や売掛金を含めていますが、従来型の会社のモデルで会社の価値を説明していくと、時価総額と市場の株価の価値というのはほぼ貸借対照表に載っているお金の価値やモノの価値、つまりそれがイコール会社の価値でした。ところが、今サービス系の会社というのは皆そうですが、時価総額に比べ、実際に会社の中の貸借対照表に載っているモノの割合はずっと低いのです。

 

馳

 では我々会計事務所はどうでしょう。会計事務所の価値とは、お金やモノでないことは確かです。では何が価値なのかというと、基本的に大きな割合を占めるのはスタッフ、人的資産です。そしてもう一つ大事なのはお客様、顧客資産です。お客様は貸借対照表に載っていません。人的資産となると、載っていないだけでなく、給与や人件費という形で寧ろ損益計算書では経費になってしまっているのです。これでは会計事務所のモデルはできないと思いました。自分達が考える価値感をなんとかうまく表現できないかと捜し求めた末、偶然見つけ出したのが、アンダーセンが考えたバリュー・ダイナミクス・フレームワークという価値モデルでした。やっぱり因果でしょうか。

 

 この考えの核となっているのは組織資産です。これは概念なのですが、事務所の組織としてのフィロソフィーや風土、仕組み、人間関係もそうですが、マニュアルやロゴのようないわゆる知的財産、そうしたものを含めてベースにあるものを組織資産とよび、それが最も大事だと考えるものです。この組織資産に対して共感した人間が人的資産となって集い、人的資産が育つ中で、さらに他のスタッフをリクルートしていく。そして同じ価値観を持った人間がお客様に対してサービスをしていく。するとお客様も安いから頼む、ブランドだから、カッコいいから頼むという概念ではなく、そうした概念を持った人間がサービスをするということに共感してくれるのです。そして共感してくれたお客様は、同じように共感するお客様を連れてきてくれるという仕組み作りができます。いただいた報酬によって事務所設備のような物的資産や情報に投資でき、よりよい環境で資産を育て、人的資産が育つというサイクルが生まれてくるのです。

 

 逆にお金から始まってしまうと、お客様は安いから頼みます。しかし、さらに安い事務所が見つかるとそちらに行ってしまう。スタッフも、お金から始まると、給与が高いところに行くけれど、もっと高いところが出てくればそちらに移ってしまうのです。これではいつまでたっても好循環は生まれません。だからこそ、組織資産という概念上の資産を一番大事に考えましょう、組織資産、人的資産、顧客資産、そこから金融資産や物的資産に回っていくというのが私たちの目指すところです。それに基づいた研修やお客様への対応も日常的に重視して研修するようにしているのが、青山パートナーズです」

 

 徹底したトレーニングと組織体系的なものの考え方をカルチャーとし、青山パートナーズのメンバーは、同じトレーニングを積んだ仲間として、共通の認識を持っていると言えるのである。同じトレーニングを積んだ人間は、5名10名と集っても、すぐに一緒に仕事ができると馳氏は考えている。そのため、将来的に東京を拠点に地方展開していっても、同じ組織の中でオーガナイズしていくことができるのだそうだ。 >>次のページへ

きっとあなたに“ちょうどいい”

事務所説明会・見学会に参加ご希望の方、
お申し込みをお待ちしております!!

青山パートナーズ 見学会申込